マグネシウムの過剰摂取はあるのか?雪塩とぬちまーすの比較

1 栄養管理

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こんにちは。前回の記事

「マグネシウムが勉強する人に重要な「3つの理由」!「雪塩・ぬちまーす」比較」

の続きとして、今回は雪塩とぬちまーすの両方を取り上げ、マグネシウムの過剰摂取の可能性について検討します。

↓前回記事はコチラ

日本人のマグネシウム摂取状況

まずは、日本人のマグネシウム摂取状況を見てみましょう。以下の表は、日本人の食事摂取基準(2020年版)に基づく推奨量と、実際の平均摂取量を比較したものです。

年齢・性別推奨量 (mg/日)平均摂取量 (mg/日)差 (mg/日)
子ども 男性29022466
子ども 女性29020882
大人 男性370236109
大人 女性29020555

参考)
推奨量:日本人の食事摂取基準(2020年版) 子ども12-14歳、大人30-49歳より
平均摂取量:令和元年国民健康・栄養調査報告 子ども7-14歳、大人30-39歳より

この表から、すべての年齢・性別において、実際の摂取量が推奨量を下回っており、不足していることがわかります。特に大人の男性は、推奨量との差が109mgと最も不足量が大きくなっています。

雪塩によるマグネシウム摂取量の増加

日本人の純粋な食塩からの摂取相当量は?

通常の食塩(マグネシウムの含有がない食塩と仮定しています)を雪塩に置き換えた場合、どれくらいマグネシウムの摂取量を増やせるでしょうか?

日本人の1日の平均塩分摂取量から純粋な食塩からの摂取量を推計しました

年齢・性別食塩相当量 (g/日)純粋な食塩(塩)の占める割合(%)純粋な食塩からの摂取相当量(g/日)
子ども 男性8.916.01.42
子ども 女性8.216.41.34
大人 男性10.416.01.66
大人 女性8.516.41.39
  • 食塩相当量:日本人の1日当たりの平均食塩摂取量を示す指標で食品中のナトリウム量を食塩に換算した値 
  • 出典:令和元年国民健康・栄養調査報告
  • 純粋な食塩(塩)の占める割合:各食品群からのナトリウム摂取量とナトリウム源としての寄与で、男性16.0%、女性16.4%。
  • 出典:Asakura K, et al: Public Health Nutr. 2016 Aug;19(11):2011-23

したがって、日本人の一日の食塩相当量は、8.2~10.4gですが、純粋な食塩の摂取量は全体の約16%を占めていることから、日本人の一日の塩分摂取量のうち、純粋な食塩からの摂取は約1.34-1.66gと推計します

残りの約84%は、醤油やみそなどの調味料、加工食品、外食などから摂取されていることになります。

雪塩に置き換えた場合の追加で摂取できるマグネシウム量は?

雪塩に含まれるマグネシウム量は、100gあたり約3310mgです。
※なお、ぬちまーすのマグネシウム量は100gあたり3360mgです。よって雪塩との差は微量のため、ぬちまーすの計算は省略します。

通常の食塩を雪塩に置き換えた場合、追加で摂取できるマグネシウム量は:

  • 子ども男性の例: 1.42g × (3310mg ÷ 100g) =47.00mg
  • 他は同様に計算します

となります。これを先ほどの表に当てはめてみると:

年齢・性別推奨量との差
※不足量 (mg/日)
雪塩によるマグネシウムの増加摂取量 (mg/日)残りの不足量 (mg/日)
子ども 男性6647.0019.00
子ども 女性8244.3537.65
大人 男性13454.9579.05
大人 女性8546.0138.99

この表から、雪塩を使用することでマグネシウムの摂取量を増やすことができますが、それでもなお推奨量には達していないことがわかります。特に大人の男性では、雪塩を使用しても依然として大きな不足が見られます。

考察

この結果から、以下のことが言えます:

  1. 雪塩(ぬちまーす)を使用することで、マグネシウムの摂取量を増やすことができます。
  2. 特に子どもは、雪塩(ぬちまーす)の使用だけでマグネシウム不足の大部分を解消できる可能性があります
  3. 不足分(19.00-79.05mg)は他の食品から積極的にマグネシウムを摂取していく必要があります。

マグネシウムの過剰摂取のリスクは?

ここまでの計算から、雪塩(ぬちまーす)を使用してもマグネシウムの過剰摂取のリスクは低いと言えます。むしろ、多くの日本人にとっては、マグネシウン不足を補うための有効な方法の一つと考えられます。

ただし、腎機能に問題がある方や、マグネシウムを含むサプリメントを大量に摂取している方は注意が必要です。過剰なマグネシウム摂取は、下痢や腹痛などの消化器症状を引き起こす可能性があります。※ただし、マグネシウムは下剤として病院でも処方されるものでもあります。

まとめ

  1. 日本人の多くは、マグネシウムの摂取量が推奨量を下回っています。
  2. 雪塩の使用は、マグネシウム摂取量を増やす効果的な方法の一つです。
  3. 雪塩を使用しても、マグネシウムの過剰摂取のリスクは低いと考えられます。
  4. ただし、雪塩だけでなく、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。

雪塩の使用は、マグネシウム摂取を増やす一つの方法として考えられますが、特に成長期の子どもたちにとっては、バランスの取れた食事を心がけ、多様な食品からマグネシウムを摂取することが重要です。また、塩分の過剰摂取にも注意を払う必要があります。

みなさんも、雪塩を上手に活用しながら、健康的な食生活を心がけてみてはいかがでしょうか?

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