今回は、渋谷教育学園渋谷中学校、通称「渋渋」の学校説明会に参加してきました。
この学校の大きな特徴は、「自調自考」の教育理念にあります。生徒自身が考え、判断する力を育むことを目指し、自由な環境で成長していく学校生活についてお話を聞くことができましたので、詳しくお伝えします。
基本情報
- 偏差値: 70
- 活動名称: 折り紙研究会
- 活動内容: 渋谷教育学園渋谷中学校の折り紙研究会は、折り紙の可能性を広げることを目指して活動しています。部員たちは折り紙を折りながら雑談を楽しんだり、黙々と作業に集中したりしています。文化祭では作品を展示し、多くの来場者に折り紙の魅力を伝えています。
- ホームページ: 渋谷教育学園渋谷中学校公式ホームページ
- 住所: 東京都渋谷区渋谷1-21-18
- Googleマップの表示:
自由な校風と自己管理
渋渋には、驚くことに校則がありません。法律を守ることが唯一のルールです。
これは生徒たちに自己管理能力を身につけさせ、自分で考えて行動する力を育てるためだそうです。
例えば、学校や教室に漫画やスマホ、ゲームを持ち込んでもOK。
ただし、授業中の使用は厳禁で、もし見つかれば取り上げられます。休み時間は自由にゲームができるため、特に男子生徒の中にはゲームを楽しむ子も多いとのことです。
しかし、中3くらいになるとゲームに飽きて、ほとんどの生徒が自ら止めるようになります。
学校側は生徒が時間を自分で管理することを求めており、チャイムもありません。そのため、低学年のうちは授業の開始が遅れてしまうこともあるようですが、高学年になると自然と自律できるようになるそうです。
宿題と勉強の取り組み方
勉強に関しては自由ではなく、宿題はしっかりと出されます。
例えば「宿題30枚を1ヶ月後に提出する」といった形です。
これを毎日少しずつ進めるか、一気に片付けるかは生徒次第ですが、締め切りまでに終わらせることが大切です。高学年になるほど宿題の量は減っていくそうです。
特に印象的だったのは、宿題が終わらなかった生徒への対応です。
ある日、眠そうにしている生徒に対して
先生「どうした?」
生徒「一晩では30枚終わりませんでした…」
と返答する場面があったとのこと。1日で終わらない量なので大変ですね
やっていないと補習が待っています
補習は約20人に1人の割合で行われ、特に英語、数学、国語の科目が対象となります。
補習のため夏の家族旅行をキャンセルせざるを得ないケースもある!?
学習塾との関わり
渋渋は数年前から鉄緑会の指定校となり、中3以下でも約50人が塾に通っているそうです。
高校生になると塾通いの生徒が増え、高1では5割、高2で7割、高3で9割の生徒が塾に通っていると説明されました。
学校は夕方には閉まってしまうので、その後夜まで勉強したい生徒が、渋谷という立地を生かして塾を活用するケースがあるそうです。
渋谷なので周辺に塾が多い
進学実績とクラス編成
進学実績(圧倒的な進学実績)
渋渋の進学実績は年々向上しており、特に東京大学への進学者数が増加しています。
43名の東大進学者が出ており、そのうち90名が国公立大学へ進学しています。
成績の上位にいれば、東大や国公立の難関大学も十分に狙える学校です。理系6割、文系4割の割合でクラスが分かれ、女子は医学部志望が多いそうです。
クラス編成(1クラス少人数制で複数担任の手厚いサポート!)
渋渋では、1クラスの人数が比較的少なめで、中1・中2では33人と手厚いサポートが行われています。さらに、各クラスには担任と副担任が配置され、生徒一人ひとりに目が届く体制が整っています。
中3以降は少し人数が増えますが、それでも生徒たちへのケアは行き届いており、学習面だけでなく生活面でもサポートが充実している点は大きな魅力です。
33人/1クラスで、担任と副担任でサポートする!(43人/クラスの中学校が多い中、恵まれている!)
研修旅行とグループ活動
渋渋では、毎年10月に研修旅行が行われます。
1年生は鎌倉、2年生は松本、3年生は奈良、高1では広島へ行くとのことでした。
この旅行の大きな特徴は、すべて生徒主体で進行する点にあります。生徒たちはまず、自分たちで調べたいテーマを決め、班を編成します。その後は、基本的に生徒自身に任され、現地でのインタビューや調査も自分たちで進めます。
例えば、過去には宮大工の方へのインタビューを行う生徒がいたそうです。このように、自らアポを取って話を聞くことは、生徒たちにとって非常に貴重な体験となっています。
先生は、生徒たちが決めた行程のポイントに立ち、確認するだけの役割を果たします。この仕組みによって、生徒は自律的に学び、他者と協力しながら目標を達成する経験を積むことができるのです。
折り紙部の活動と文化系活動の魅力
折り紙研究会の活動
- 活動名称: 折り紙研究会
- 活動内容: 渋谷教育学園渋谷中学校の折り紙研究会は、折り紙の可能性を広げることを目指して活動しています。部員たちは折り紙を折りながら雑談を楽しんだり、黙々と作業に集中したりしています。文化祭では作品を展示し、多くの来場者に折り紙の魅力を伝えています。
- 部員と直接話してみた
学校見学の際に、折り紙部の生徒と触れ合う機会がありました。生徒たちは、自分のクラスにも折り紙を持ち込み、作品や本で研究している姿がとても素晴らしかったです。
渋渋の折り紙研究会は定期的にTwitterを更新しており、2024年度の文化祭「飛竜祭」では、神谷哲史さんの「巨大フェニックス(油紙2.7m)」が展示され、非常に話題になっていました。
クラブ活動
クラブ活動に関しては、渋渋では校内にグラウンドがないため、体育会系のクラブは宿河原や代々木公園などを利用して野球やサッカー、テニスなどの活動が行われています。また、体育館が3つもあり、施設面でも恵まれています。
しかし、令和6年現在、野球部は過去8年間勝利なしという話もあり、運動系クラブの強さは他の学校に比べて控えめかもしれません。
また、渋渋はプールがありません。
文化系の活動が充実していることから、体育会系の子供には少し不向きかもしれません。逆に、運動部や体育会系の生徒が目立つ学校が苦手な子供には、文化系の活動が中心となる渋渋は非常に勧めやすい環境です。
まとめ
渋谷教育学園渋谷中学校では、自由な校風と生徒主体の学びを重視する教育方針が非常に印象的です。特に、自調自考を軸とした学習スタイルは、ただ知識を吸収するだけでなく、自ら考え行動する力を養うことに繋がっています。
渋渋では自由には責任が伴うという考えが根付いています。例えば、挨拶をすること、ゴミを拾うこと、他人を助けることなど、倫理観の高さを求められています。この点は、渋渋の生徒たちが社会で活躍するために必要な資質を育むための一環として強調されていました
<まとめ>
渋渋では学校や教室に漫画やスマホ、ゲームを持ち込んでもOK。
5分休みでさえも、ゲームに興じる男の子も結構いるみたいです。
授業中の使用は厳禁で、もし見つかれば取り上げられます。
渋渋は始業のチャイムがないので、よりゲームに没頭できるかもですね!
また、今年から同じ敷地内にあった幼稚園が麻布に移動したため、8教室が新たに活用可能になるとのことでした。これにより、クラブ活動や他の学校活動も一層発展が期待されるでしょう。今後ますます魅力的な学習環境が整い、文化的な活動や生徒の個性がより一層引き出されることが楽しみです。
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