今回(令和6年10月)は、駒場東邦中学校の学校説明会に参加してきました。
理数教育に強い伝統校として知られるこの学校では、自主独立の精神と科学的思考を大切にした教育が行われています。校長先生の話やカリキュラムの内容、部活動についてお伝えします。
基本情報
- 偏差値: 66
- ホームページ: 駒場東邦中学校公式ホームページ
- 住所: 東京都世田谷区池尻4-5-1
- アクセス:(渋谷駅から1駅)
- 京王井の頭線 駒場東大前駅 下車 西口出口より徒歩10分
- 東急田園都市線 池尻大橋駅 下車 北口出口より徒歩10分
- Googleマップの表示:
駒場東邦の教育理念
駒場東邦中学校は、1957年に創設者菊地龍道が設立した学校で、自主独立の気概と科学的精神を育むことを大切にしています。特に理数科教育に力を入れており、生徒たちが自主的に考え、学ぶ環境が整っています。基礎力をしっかりと養いながら、生徒が伸び伸びと成長できる教育方針が取られています。
部活動について
駒場東邦中学校では、部活動の兼務が自由であり、週6日フルに好きな活動に取り組むことができます。例えば、折り紙部や物理部(プログラミング活動を含む)など、さまざまなチャレンジが可能です。運動系、文化系ともに多彩な部活が揃っており、生徒たちは興味のある分野で自由に活動を展開できます。
折り紙部の活動
- 活動名称: 折り紙研究会
- 活動内容: 駒場東邦中学校の折り紙研究会は、普段はひたすら折り紙を折る活動を行っています。新しい折り紙の本を購入するためにお出かけすることもあります。第58回文化祭では、展示部門で優秀賞を受賞しました。年間の活動としては、夏休みに文化祭の準備を行い、9月には文化祭に参加し、その他の時期には通常の活動を続けています。
折り紙部は設立して3〜4年という新しい部活で、現在15名の部員が活動しているそうです。
週1回のペースで活動が行われ、令和6年の文化祭では特に巨大作品『暫』と『龍神』の折り紙が来場者を魅了しました。最新の活動については、公式Twitterアカウントで随時更新されていますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
プログラミング部は物理部内にある
一方、物理部の中にはプログラミング活動を行っている班もあり、自作ゲームの制作などにも挑戦しています。
部員は自分のノートPCを持ち込み、ゲーム制作やプログラミングを毎日のように進めています。文化祭では完成したゲームの展示が行われ、また大会への出場も果たしている活発な部です。
部内には高学年が低学年に教え合う環境も整っており、初心者でも安心して参加できる雰囲気を感じました。
スマホの扱いとICT制度(スマホは学校内✖️)
駒場東邦では、スマホは登校時にロッカーへ保管し、下校時まで使用しないというルールがあります。
ICT教育についてはコンピュータルームがあり、1年の半分の期間は授業で利用できます。授業や課題にICTが導入され、プログラミングやWebページの作成も学べます。
なお、1人1台のパソコンの配布や購入などの制度はないので、基本的に学校でPCにふれる機会は少なそうです。
授業と進学実績
駒場東邦中学校の授業は、特に理数科教育に力を入れており、中1から高2までの6年間で基礎から応用までを一貫して学べる構成となっています。中学では、まず幅広い理科の分野を満遍なく学び、高学年になるとそれぞれの分野に特化した学びへと進みます。
特に年間40回以上の理科実験が行われ、イカの解剖や恐竜のAR観察など、生徒たちは非常に意欲的に取り組んでいる様子でした。
また、学校説明会では物理室では紙工作出できたテンセグリティの椅子や弦による振動実験が展示されており、実際に見学した際には、理工系に特化した学習環境が整っていることが印象的でした。生徒1人1台の高性能顕微鏡に使用できる環境も完備されており、実験や観察に積極的に参加できるようにサポートされています。
進学実績に関しても素晴らしく、2024年には東大に44名(浪人生含む)が合格し、2023年は72名、2022年は60名が合格しています。理数科教育の強みを生かした進路指導が大きな成果を上げており、特に東大や国公立大学を目指す生徒にとっては非常に魅力的な環境です。
さすが、理工系に強い中学校
入試について
駒場東邦の入試は、2月1日のみです。
試験内容は国語と算数が各120点、理科と社会が各80点で構成されています。合格最低点は60%前後と言われていますが、特に算数で差がつきやすいため、数学的な思考力をしっかり養うことが重要です。
試験科目も満遍なく出題されるため、バランス良く学習を進めていくことが合格への近道と言えるでしょう。
折り紙好きのどんな子におすすめ?
折り紙が好きで、他の部活動にも積極的に参加したい子におすすめです。理科の実験を楽しみながら、誠実に学ぶ姿勢を持つ子に向いています。
ただし、体育会系が活発な環境と感じたので、自由すぎる行動を取る子や、運動が苦手で気後れする子には少し居心地が悪いかもしれません。
まとめ
駒場東邦中学校は、自主独立の精神と科学的な探究心を大切にした教育が特徴の学校です。部活動も非常に活発であり、特に運動部が強いため、スポーツに興味のあるお子さんには最適な環境です。
一方、折り紙部や物理部といった文化系の活動も充実しており、クリエイティブな面を育てたいお子さんにもおすすめです。
駒場東邦はおとなしい生徒が多いそうで、特別なサポート体制は整っていません。例えば、多動に対する支援体制は特段設けられていないため、生徒と話し合いをした上で、必要に応じて保護者との連携が図られます。養護やメンタルケアの専任者もいないため、基本的には他の生徒と同様に接する形となっています。
進学実績も優れた成果を上げており、東大への進学者数が毎年高いのが特徴です。将来的に理数系や科学分野に興味を持つお子さんにとって、駒場東邦は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
コメント