SAPIXのSS特訓【単科講座】の選び方 中学受験

4. SAPIXで中学受験

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息子のSS特訓の講座選びで悩みました。模試の結果と、息子の強み・弱みを考慮し、効果的な講座の組み合わせを選ぶのは簡単ではありません。

講師の先生にも相談しながら、試行錯誤の末に決めました。

受験生の子供を持つ親なら、誰もが同じような悩みを抱えているのではないでしょうか。

講座選びは、子供の学力や志望校などを総合的に考えて決める必要があります。

私の経験が、みなさんの参考になれば幸いです。

SS特訓の概要

SAPIXのSS特訓は、小6の9月から1月にかけて行われる5ヶ月間の集中特訓講座です。

受験本番で実力を最大限発揮できるよう、志望校別講座と単科講座の2種類で構成されています。

  • 期間:6年生の9月〜1月の日曜日、全18回(講座14回+テスト4回)
  • テスト(9/22,10/20,11/10,12/1)
  • 講座
    • テストがない日曜日
    • 午前9時から午後6時45分まで
    • 志望校別講座(1コース選択)
    • 単科講座(2講座選択)
SS特訓の概要の図解

志望校別講座(1コース選択)

志望校別講座は、受験する中学校に特化した対策を行う講座です。志望校の過去問題や出題傾向をサピックスが分析し、その学校独自の問題形式や頻出分野に絞って集中的に学習します。

同じ志望校を目指す生徒同士が切磋琢磨しながら、合格に必要な実力を身につけていきます。

コース例は以下のものがあります
※校舎の規模や所在地域により設置コースが変わります

  • 開成コース(SSKS)
  • 麻布コース(SSAZ)
  • 武蔵コース(SSMS)
  • 桜蔭コース(SSOG)
  • 他に校舎の所在地域で受験者数が多い学校など

また、①校舎の規模や②出題の傾向などにより(早稲田・海城コース)のようにまとめられる場合があります

単科講座(2講座選択)

単科講座の目的

SAPIXの単科講座は、特定の科目や分野に焦点を当てた集中的な学習の機会を提供します。

中学受験において、単科講座の選択は非常に重要です。特に、算数と国語を優先して考えるべきです。その理由は以下の通りです

  1. 傾斜配点の影響:多くの難関中学校では、算数と国語に高い配点が設定されています。例えば、開成中学の2024年度入試では、算数と国語がそれぞれ85点満点であるのに対し、理科と社会は70点満点でした。
  2. 合格者と全体の点差:算数と国語は、合格者平均と全体平均の点数差が大きくなりやすい科目です。開成中学の2024年度入試結果を見てみましょう:

つまり、子どもが算数・国語が苦手のままでは、傾斜配点がある中学受験では厳しい戦いにならざるを得ません。

例:開成中学の場合
2024年度中学入試結果(2024.2.1実施)

科目国語算数理科社会合計
合格者平均60.258.360.252.5231.1
全体平均51.948.655.148.1203.8
満点85857070310
国語算数に傾斜があり、合格者との差が大きい
入試状況・結果 | 開成中学校・高等学校公式サイト

これらの事実から、算数と国語の単科講座を優先的に選択することで、効率的に合格可能性を高められると言えるでしょう。もちろん、志望校の出題傾向や自身の得意・不得意も考慮に入れる必要があります。ただし、理科や社会の重要性を軽視してはいけません。バランスの取れた学力を身につけることも、最終的な合格には不可欠です。自分の弱点を把握し、それを克服するための単科講座を選ぶことも有効な戦略となるでしょう。

単科講座の選択は、模試の結果や日々の学習状況を見極めて、講師とも相談しながら決めていくことが大切です。

志望校合格のためにも、単科講座を有効に活用しましょう。

選択のおおよその目安

  • 算数思考力
    • 筑駒、開成など最難関校を目指す生徒向け
    • 理社も十分にできている必要あり
    • 算数の偏差値60以上の方など
  • 算数解法力
    • 単元別の学習を平常とは異なる形で行う
    • 算数が苦手な方からもっと伸ばしたい方まで対応
    • 複数コースがあり、算数の成績に応じて使用教材が変わる
    • 苦手な子どもから得意な子どもまで対応可能
    • 迷ったらこちらを選択するのが良い
    • 基礎から応用発展まで幅広い内容を扱う
  • 国語記述力
    • 筑駒、開成、麻布、桜蔭の合格の可能性を高めるための講座
    • いずれかが第一志望で、合格の可能性を高めたい方向け。
  • 国語読解力
    • 国語に苦戦している方向けの講座。
    • 希望選択、抜き出し、記述問題を取り扱う。
    • 読解のヒント、解法のヒントを見落としてきた人用
    • 国語苦戦している子どもはぜひ選択を
  • 理科・社会
    • 理科の例
    • 知識の確認・基礎計算問題の再徹底
    • 理科が全般的に不得意な生徒におすすめ
    • 特定の単元ができていないと分かっている場合は、夏期講習中にやれば足りるので、単科講座を取る必要ない
    • 他教科と比べ理科の成績がとれておらず、理科を伸ばしたい生徒
以下の科目別の単科講座の内容はサピックスパンフレット2024を参考にしています

算数

概要

開成・筑波大駒場・灘などの難関校では、算数の思考力問題が多く出題されます。設問が複数ある大型の問題形式であり、答案に式や考え方を書かせる形式であるのが特徴です。

「算数思考力講座」ではこのような問題を、実戦演習を進めながら対策します。標準的な問題から応用問題まで、すでに確実に正解できる学力が備わっている方におすすめの講座です。

ー方で、基礎力・得点力を充実させたい場合は、「算数解法力講座」がおすすめです。

「算数解法力講座」は算数の学力によってコースを編成します。テキストの一部には「算数思考力講座」の問題ものせていますので、幅広い学力・志望校に対応することが可能な講座です。

算数思考力

:ハイレベルな問題演習で思考力を鍛える

  • 算数思考力講座

大型問題の実戦演習を中心とする講座です。算数の基礎力に全く不安がなく、筑波大駒場・灘・開成などの難関校を志望する生徒で、大型問題の攻略だけが残された課題である生徒のための講座です。

  • 本講座のねらい

算数思考力講座は、難関校でよく見られる大型問題に対応できるような実戦力を養っていくための講座です。その最大の特徴は、毎回、単元の枠をはずした実力テスト形式の演習が用意されていることです。
緊張感のみなぎる環境の中で、1題1題をしっかりと考える時間を積み重ねることを重視し、解説よりも演習を中心とする講座です。一定レベル以上の解法の知識が身についていないと、効果がほとんど得られない講座ともいえます。

  • 教材の概要

毎回、大型問題4題でセットが組まれた実戦テストがあります。ほかに、図形問題の補強プリント、1枚につき2題ずつ大型問題が掲載された4枚のプリントが用意されています。

  • カリキュラム

本講座は総合力を高めていくための講座ですので、「今回はどの単元を学習する」といった力リキュラムはありません。各回とも入試のときと同様、単元の枠をはずして考えを進めることを重視した構成となっています。

算数解法力

:基本的な解法テクニックを身につける

  • 算数解法力講座

基礎から応用まで、生徒の学力に応じて得点力の強化を図る講座です。算数を苦手と
する生徒から、確実な得点源にしたい生徒まで、幅広く有効な講座です。

  • 本講座のねらい

算数解法力講座は、単元ごとに基礎的な解法の確認から入試に必要な高度なレベルの解法の習得まで、個々の生徒の算数の現状に合わせて得点をもう1段上積みすることを目的とした講座です。算数の基礎力に不安を抱えている人はもちろん、算数の得点力を総合的に高めたい人も十分な効果を得られます。

算数解法力講座は、単元別に編集され、A~Eでレベル分けされた5枚のプリントを中心にして授業を進めていきます。なお、これらをクラスの学習到達度に応じて使い分けて、効率的な授業を展開します。より基礎的な問題をしっかりと確認するためのプリント、図形問題の補強プリント、発展的解法テクニックを習得するためのプリントが用意されています。第2回から、復習テストも用意されています。

  • カリキュラム

本講座の力リキュラムは、入試における頻出単元から構成されています。各単元の典型的な問題から発展問題までを幅広く学習していきます。

国語

概要

開成・筑波大駒場・麻布・桜蔭などの難関校では、難度の高い記述問題が多く出題されます。「国語記述表現力講座」ではこのような記述問題に取り組みながら対策します。長文の問題を正しく読解する力があり、記述力が求められる学校を志望する方におすすめの講座です。
―方で、得点力を向上させたい場合は、「国語読解力講座」がおすすめです。「国語読解力講座」は国語の学力によってコースを編成します。一般的な入試で出題されるレベルの記述問題も、十分対応できるような総合力が養成できる講座です。

国語記述表現力講座

自分の考えを論理的に表現する力を養う

  • 概要

長文記述問題に対応する講座です。基本的な読解力がすでに身についている生徒向けの、記述力養成に特化した講座です。

  • 本講座のねらい

国語記述表現力講座は、基本的な読解力が身についており、かつ記述問題を数多く出題する難関校を志望する人のための講座です。知識問題や記号選択・抜き出し問題などはほとんど扱いません。志望校の記述問題を攻略することが最大の目的です。

  • 教材の概要

問題文のみを収録した冊子と、設問・解答欄を収録した冊子の2冊が用意されています。「説明的文章」と「文学的文章」をそれぞれ1題ずつのせています。

  • 力リキュラム

本講座では、物語の主題や心情を読み取る問題、本文全体を要約する問題、自己の意見を述べる問題など近年の入試傾向をふまえたうえで、より高度な記述表現力の養成をめざします。

国語読解力

:文章読解力と設問対策力を高める

  • 国語読解力講座

実戦的な読み方や論理的な解法を身につけることにより、確実に得点力を向上させて
いく講座です。設問を通して知識力・記述力も強化することができます。

  • 本講座のねらい

国語読解力講座は、国語の総合的な力を底上げし、得点力を高めるための講座です。原則として1回の授業で、説明的文章と文学的文章の両方を扱います。設問の形式も、記号選択問題・抜き出し問題・記述問題と、国語の入試において見られるさまざまな形式のものをすべて網羅しています。入試で合格点を取るための実力を身につけることが目標です。

  • 教材の概要

本講座のテキストは、基本的に「説明的文章」「文学的文章」の2つから成り立っています。

  • カリキュラム

基本的な内容から応用・発展的な内容まで幅広い文章を扱います。国語の苦手なお子様の弱点補強だけではなく、国語が得意なお子様の発展的な学習にも効果が期待できます。

理科・社会

概要

理科・社会は、Aタイプ(知識・処理)の学力を固めるための講座です。Bタイプ(思考・記述)対策は必要に応じて志望校別講座で行います。志望校がBタイプの出題傾向でも、知識や情報処理力を向上させたい方に有効な講座です。

理科(理科知識論理力講座)

  • 概要

知識をベースとして理科の基礎力を固め、演習を通して情報処理能力の向上と応用力の完成を図る講座です。スピードや基礎知識が不足して得点が伸び悩んでいた生徒にも有効です。

  • ねらい

基礎知識の完全制覇をめざし、情報処理能力の向上を図る講座です。

  • 教材の概要
  1. 知識の確認テスト
    知識問題を中心として、理科で扱う全単元から厳選した重要問題を配置し、基礎力の確認を行います。
    基本事項の確認はもちろんのこと、連続してさまざまな単元の問題を解き進めることにより、すばやく頭を切り替える訓練を重ね、情報処理能力のよりいっそうの向上を図ります。
    関連事項については、単元を超えて徹底的に解説し、知識事項の強化とあわせて、広く深い知識の総合力を養成します。
  2. テキスト
    重要問題を単元・分野に分け、学習時の状況に合わせて段階的に演習および解説を進めていきます。
    解答・解説(別冊)に各問題の解き方やポイントを詳しく解説してありますので、苦手な問題を家庭学習で補強する際にも活用できる構成となっています。
    また、第2回~第11回では前回の内容の復習テストを実施し、学習のリズムをつくり、より確かな知識の定着を図ります。
  • 力リキュラム

入試の頻出単元で多くの生徒が苦手とする分野をくり返し扱います。

社会(社会知識論理力講座)

知識をベースとして社会の基礎力を固め、演習を通して情報処理能力の向上と応用力の完成を図る講座です。スピードや基礎知識が不足して得点が伸び悩んでいた生徒にも有効です。

  • 教材について
    • 教材の種類と内容
      1 冊のテキストで、不足している知識の把握→暗記→確認→定着を図ります。大きく分けて、①知識編、②問題演習編の2種で構成されています。
    • カリキュラム
      毎回、地理・歴史・公民の3分野を扱います。どの回から受講してもー定の効果が上げられるような構成です。
  • 授業の進め方(例)
  1. 空欄補充
    ー問一答形式を中心に、知識の確認を行います。自分の弱点を把握することが大切です。
  2. 答え合わせと解説を行います。テキストにのせられているもの以外にも多くの知識を扱います。その場で覚えていく姿勢が重要です。
  3. 知識力確認テストというタイトルの問題演習を行います。授業の前半で覚えた知識を使って問題を解くことで、知識の定着を図るとともに、知識の使い方を学びます。

補足
・この講座では、記述問題は扱いません。
・授業時にその場で知識を身につけていく内容となっています。なるべく課題を家に持ち帰らないことが大切です。
・この講座は、以下のような生徒を対象とした講座です。
①知識の絶対量が不足していることや、知識の使い方がわからないことが原因で得点できない生徒。
②家庭で知識を整理・定着させる作業が得意ではない生徒。
③家庭で社会の学習にまとまった時間をとることが難しい生徒。

選び方のポイント

  • 志望校の出題傾向に合わせて志望校別講座を選ぶ
  • 苦手科目や伸ばしたい分野に応じて単科講座を選ぶ
  • 模試の結果や日々の学習状況から、弱点分野を見極め
  • 講師に相談して、最適な組み合わせを決める

SS特訓は、受験直前の重要な時期に、生徒の実力を最大限引き出すためのカリキュラムです。

志望校合格に向けて、残り少ない時間を有効活用するためにも、適切な講座選びが肝心です。

SAPIXの講師のアドバイスを参考に、お子さんに合ったSS特訓の組み合わせを決めていきましょう。

パンフレットより引用(SS特訓受講ガイド2024)

単科講座の選択方法

お子様に合わせて、自由な組み合わせが可能!
単科講座は、算数思考力講座・算数解法力講座・国語記述表現力講座・国語読解力講座・理科知識論理力講座・社会知識論理力講座から教科の異なる2つの講座を選択して受講します。
苦手科目を克服したい方、得意科目をさらに伸ばしたい方、志望校の対策を強化したい方、すべての方に合わせた力スタマイズが可能です。

「苦手科目を克服したい方」は
中学入試では、苦手科目で失点を少なくすることが大切です。
直近のテストの各教科の平均偏差値を見て、低い方の1科目(もしくは2科目)を選択するとよいでしよう。特に、家庭学習ではなかなか集中して取り組めない科目を選択するのも
ひとつの方法です。100分間の授業で集中的に取り組むことにより、家庭学習で苦手科目に割く時間を減らすこともできます。

「得点科目をさらに伸ばしたい方」は
中学入試では、得意科目を安定した得点源にすることも重要になります。
苦手科目を1教科選択したうえで、もう1教科は得意科目を選択するという取り方も可能です。
得意科目のなかでも弱点分野があることや、テストで細かいミスをすることもあります。塾で得意科目を集中して学習することで、家庭学習では苦手科目に割く時間を確保することもできます。

「組み合わせのポイント」は
首都圏では、多くの学校は4教科の合計点で合否が決まります。特定の教科だけ過度に時間をかけるよりも、バランスのよい学習がよりお子様の学力増進につながります。そのため算数だけ2講座、または国語のみ2講座を選択することはおすすめしていません。
入試では4教科が100点ずつ均等配点の学校もあります。これらの学校では理科・社会の得点が合否に大きく響くこともあります。この場合は、理科や社会で得点力を高めることも大切です。

単科講座の変更は?

単科講座の変更は可能です。授業開始後でも、お子さんの学習状況や志望校の変更に合わせて、講座を変更することができます。

ただし、変更できる時期や手続きには一定の制限がありますので、早めに講師に相談しましょう。

選択は?

  • 私の家庭の結論
    • 国語読解力講座
    • 社会知識論理力講座
  • 息子は算数が得意な一方、国語の読解力に課題がありました。記述問題も苦手だったので、志望校も記述系の学校ではないため、読解力を身につけることが先決だと気づきました。
  • また、息子は社会の知識が乏しく、持っている知識をテストで表現する力も不足していると感じました。息子の弱点を克服し、入試で求められる力を身につけるために、社会知識論理力講座を選択しました。

講座選びには、志望校の出題傾向と子供の苦手分野を正確に分析することが不可欠だと実感しました。

まとめ

SAPIXのSS特訓は、志望校別講座と単科講座の2種類で構成されています。志望校別講座は受験する中学校に特化した対策を行い、単科講座は弱点科目の補強と得意科目の強化を目的としています。

講座選びには、志望校の出題傾向や子供の学力、苦手分野などを総合的に考慮することが大切です。

算数と国語は入試での配点が高いため、多くの受験生がこの2科目を選択しますが、理科と社会も合否を左右する可能性があります。

講師のアドバイスを参考に、お子さんに合ったSS特訓の組み合わせを決めることが、志望校合格への近道となるでしょう。

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